
15万ヒット記念 携帯はっちゃけSSカーテンコール
先に記念ヒットはっちゃけ携帯SSをお読みになってからご覧頂くようお願いします。
あれから特に何も変わらなかった。
相変わらず天満ちゃんは可愛いし、高野は無表情だ。
でも、遠くから天満ちゃんを眺めてるとついつい高野も目に入っちまう。
ナニ話してんだかなんて聞こえねぇけど、あー天満ちゃんに呆れてるなーとか
お嬢に困ってんだなあれはとか、見てたら何となく解る気もする。
でもなぁ
不思議なモンで、あの夜すげー頼りなさげで可愛く見えた。
けど、こうやって教室でたまたま眼に入る姿はと言うと……
反応とか感情とか表情とか解りにくいのも有るんだろうが、一歩引いててちょっと周りを見下してるっぽく見える。
たまーに眺めてて眼が合う事もあるんだが、特に何も反応は無い。
視線が合ったと思ったらすっと避けていく。 別にオレも何か有る訳じゃないしそれだけなんだけどな。
勿論、言われた事は覚えてる。 期待してるとも言われたし、オレもちょっとぐらついたのもホントだ。
日に日に天満ちゃんと烏丸のヤローは仲良くなっていきやがるし、正直そろそろ降参かもな、とも思う。
けどよ
それとこれはやっぱ別で、ちゃんと何かしら答えを出さねぇと先に進んじゃイケねぇと思うんだ。
高野にしてもだ、もしかしたら一時の気の迷いだっただけかもしんねぇ。
普通に考えて、オレに惚れるなんて気の迷い以外考えられねぇもんな。
オレだって強烈な出来事だったんでそう思っちまっただけかもしんねぇ。
絃子は別として、オンナと裸で一晩なんて経験ねぇし。
高野は綺麗だし。
ならアレは夢みてぇなもんで無かった事かというとそれも違うよな。
少なくともあの時の高野は本気だったと思うし、オレが感じた事も嘘じゃねーし。
どうすりゃ良い?
玉砕覚悟で天満ちゃんにこの想いを伝えるか?
……烏丸とイイ感じになってるのは気にくわねぇけどわざわざ言って困らす事でもねぇのかな?って気もして。
高野の事があるからってそうするのも違う気もしてなぁ。
天満ちゃんが困るかどうかって考えてもわかんねぇ。
アイツはオレの気持ち知ってて、その上で言った。
それをオレが迷惑と思ったかというと、全然思わなかった訳で。
だからといって天満ちゃんもそうだとは限らない訳で。
だってオレは高野じゃねーし、天満ちゃんはオレじゃねーから。
あ――――――――――――――――――――!!!!
どうして良いか、さっぱわかんねぇ―――――――!!!!
他人に聞く事じゃねぇ事ぐらいわかってんだっ!!
でも、誰かどうすりゃ良いか教えてくれっ!!
ガリガリ頭を掻きつつさりげなく天満ちゃんの方を見ると天満ちゃんは居なかった。
その代わり、お嬢と周防が話してる横でじっとこっちを見てる高野と眼が合った。
高野はちょっとしまったって表情を作ると、すぃっと逸らす。
うーん……。
やっぱ期待してんのかな? ありゃ。
自惚れかもしんねーけど、なんかそれを考えだすと気が重い。
高野の言葉が重い。
断るか……。
期待すんな、迷惑だってはっきり言っちまおうか。
そうだよな。
オレなんかより良いヤツなんて何処にでもいるしよ、オレなんかを待ってるよりアイツにとってよっぽど良い事だよな。
決めた。
断る。
放課後あそこにいきゃ居るだろ。
それで駄目ならあの店、居酒屋にいきゃ良いんだし。
そう決心してもう一度高野の方を見てみる。
高野もまたオレを見てたが、今度は逸らさずにじっとオレを眺めてる。
そのまま何となく見つめ合ってた。
先に高野の方がすっと視線だけ逸らして、そして何か考えてる仕草。
それからもう一度視線を戻して来た時に……。
横からお嬢に呼ばれて首がそっちに回った。
放課後、そぉっと旧校舎に向かってみる。
アイツのクラブはいい加減で、活動日が決まってないらしい。
居てもアイツと妹さんと妹さんの友達の金髪、それと絃子ぐれーだ。
なぁに、他に誰かが居てもアイツだけ連れ出しゃ良いだけだ。
幸い、旧校舎は人なんてあんましいねーしな。
なんせ、前々から絃子に追い出されたら潜り込もうとか考えてた位だ。
ドアを開けると幸いな事にアイツしか居なかった。
きっとアレだ。 運命がオレの選択を認めてくれたってヤツだ。
ちゃんと決めるぜ! はっきりとな!
あれから二人きりになるのは初めてなんで、焦るとか驚くとかなるかと思ったんだが、全然表情は変わらない。
一瞬身構えたケド、ホッとするのとちょっとだけ拍子抜け。
とにかく、言う事言って退散するぜ。
悪いな、高野。
そして、
「よぉ、高野。 ちょっと話が」
言い掛けた時。
「待ってたわ。播磨君」
遮るように高野の口が開いた。
待ってた?
なんで来る事知ってんだよ。 誰にも言ってねぇぞ。
「八雲とサラは帰らしたし、刑部先生は笹倉先生の所に居る。 二人きりだから安心して良いわ」
ちょっと……いや、はっきり言って怖い。 用意が調いすぎてる。
もしかしてオレが何を言いに来たのかまで知ってるんじゃねーだろーな…まで疑ってしまう。
すげーイヤな予感がするぜ。
「えっと、その……高野? 待ってたって、なにをだ?」
「あなたの事だから、そろそろ諦めろとか忘れろとか言いにきたんじゃないの?」
なんで解るんだぁぁぁぁぁぁ!!!!
そんなにオレって解りやすいのかぁ??
まったくもってその通りだぞ?
「あーそのーえっと、高野サン、アノデスネ」
ついつい下手になっちまう。
別にオレは悪い事してる訳じゃねーんだが、その、やっぱ、な。
その様子を高野は軽くクスッと笑って、ふと思い出したようにポケットからころんと携帯を出して机に置いた。
いや、携帯じゃねぇな。
なんだありゃ?
大きさは携帯みてぇだが、どっちかって言うと携帯用ラジオみたいな……。
「播磨君、これなにか知ってるかしら」
「……」
ブンブンと首を振る。
「でしょうね。 ホテルでいじってるのを見ても何も言わなかったし」
「…え?」
そんな事してたか?
あぁ、出る時になんかいじってたな。 あの時のアレか。
すげぇ心の中でイヤな予感が雨雲みてぇに広がっていく。
少なくともオレにとってイイ物じゃねぇ予感がバシバシ感じられる。
で、なんだ……それ……。
「これはICレコーダーって言って、簡単に言うと録音とかする機械」
そう言いながら高野は機械に向かって「テステス」って話しかけた。
ピッとボタンを押すと、機械から「テステス」と言う高野の声が流れる。
なるほど、それは解った。
でもそれがなんの関係あるんだ?
高野がなにやらちょこちょこっといじくってピッとボタンを押した。
機械から声が流れ出た。
『こーえーだぜっ!!』
え?
どっかで聞いた声だぞ?
しかもすげぇ身近で。
『抱きしめてってお願いしたら、どう答える?』
『かまわねぇよ』
ちょ……
ちょっと待てぇ!!!!
アレはオレの声じゃねーか!!!
しかもあの時の!!
『こんな良いオンナに惚れられたら、舞い上がってたと思うぜ』
『口が上手い播磨君ってヘンよ』
「ストップッ!!! 止めてくれっ!! 頼むっ!!」
耐えきれなくなって叫ぶ。
あまりの声で窓ガラスがびりびりと共振するぐれぇに。
ぴっ
高野はオレの声にさっぱり動じないでそれを止めた。
そして、
いつものように無表情でオレを眺めて……いや、オレには解る。 微妙に笑ってる。
それも勝利を確信した時のような笑い、だ。
それを見てなんとなく無駄だとは思いながらも、オレの口からは半ば哀願してる感じで言葉が漏れた。
「それを渡せ……」
答えない。
「貸せっ!! 抹消してくれっ!! 頼むっ!!」
「いいけど、 ………もう遅いわよ?」
そう言いながら、今度はCDを出した。
「ダイジェスト版に編集してCDにしてみました」
「するなぁっ!!!!!」
旧校舎がびりびり共振した。
「それと……」
更にごそごそと何か取りだそうとしてる。
頼むから、もう勘弁してくれ……。
でも、高野は全く勘弁してくれなかった。
ぴっぴっぴ……ぴぴっ
『おめぇ、カワイイな……』
「携帯用に加工して着メロにしてみました」
オメーは容赦ってモンがねぇのかぁ!!!!!
「貴方から掛かると鳴るようにしてるから大丈夫よ。 どうせ掛けないでしょうし」
そりゃオメーの携帯番号しらねーのに掛けるこたぁねーだろっ!
「あ、それは大丈夫。 この間こそっと登録しておいたから」
勝手にそんな事すんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁ
ぁぁ……
はぁ…………………。
ガックリと力が抜けてオレは椅子にへたりこんでしまった。
なんつーか、駄目だ。 コイツには勝てねぇ。
絃子と違う方向性で、逆らえねぇオーラが出まくってやがる。
なんか高野は満足げにお茶を用意してくれた。
でも、なんか怖くて飲む気にならねぇ。
ガタタッって椅子の音がしてシュトっと座る音。
顔を上げたら目の前に高野が座ってんだろうなぁ……。
ちょっと嬉しそうに。
ちくしょぅ!!
なんか腹が立ってきたぞ。
「何してーんだ……」
つい言葉が溢れる。 単純に出来てるのはオレの良い所だ。
いざとなったらもう……力ずくで……も、無理だろーなぁ……。
クソっ!!
「別に何も」
「じゃあそれ全部消してくれねーか? からかって遊ぶんだったらもう満足しただろ?」
顔を上げて、精一杯殺気を込めて睨み付ける。
どーせ通じないんだろーが。
「そうね。 ひとつだけお願い聞いてくれたら考えても良いわ」
やっぱり通じてない、涼しげな顔でお茶に口を付けてやがる。
「お願い? オメーのモンになれとかそーゆーのだったら却下だ」
「全然違うわ。 もっと簡単な事」
そうだろうと思う。 何となくコイツはそんな事にこんな卑怯な事をするヤツたぁ思えねぇ。
何故かわかんねーけど、オレの中でそう言う事になってる。
「これに名前書いて貰えるかしら」
そう言ってなにやら紙を差し出してきた。
なんだ?
えっと……。
『 入部届け 』
ん?
『私、_年_組 _____は 茶道部 への入部を希望します』
はぁ?
なんだなんだなんだぁ?
なんだこれはっ!!!
「私も色々考えたのだけど、これが一番フェアと言う結論になったの。
楽しいわよ? 茶道部。 八雲も居るし刑部先生もいるし」
「一応聞きてぇんだが……、断るとどうなるんだ?」
ピッとまたCDを取り出して、そしてそれを挟んだ指先をすっとずらすと枚数が増えてが扇状に広がった。
「……喜んで書かせて頂きます」
諦めてペンを掴む。
カリカリ…2……カリ…C…… カリカリカリ…播磨…カリカリ…拳児…………
「これで良いか?」
高野は返事もせずに書いた紙を受け取ると、ペンを取ってオレが書いた下に筆先を降ろした。
『喜んで。 茶道部部長 2−C 高野晶』
そして
そしてだな。
悔しい事にスゲー嬉しそうな笑顔なんて浮かべやがってだな。
「そう簡単に諦めるぐらいなら追いかけてなんて無いわ。 思いっきり振り回してあげるから播磨君」
そりゃぁもう、弾けるぐらいの笑顔になりやがってこの野郎。
「覚悟してね」
これで本当に終わりです。
この後絃子さん視点の茶道部物語とか、八雲と播磨と姐さんが微妙になったりとか
花井がしつこく入部希望しにくるとか、サラが麻生との関係で播磨に相談したりとかそんな
続きは考えてないので期待しないでください。 イヤ、マジで考えてませんから。
∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
先に謝ります。 その、すいませんっ!!
指摘も有りましたが、14万で終わりってのはやっぱ中途半端だなってのはありまして
15万で終わらそう、でもちょっとネタ仕込みたいなーって企んだのが最終回書いた時でした。
終わったと見せかけて最後にもう一発って決めたのは良かったんですがー
なんか、最終回の後、やたら暖かいお言葉を沢山頂いてしまいまして……。
なんて黒い人間なんだ私はって焦りまくりましてー。
思った以上に読まれてたんだなーって嬉しくて泣きそうになったり。
そのー、ブログや拍手でお言葉頂きました皆様、なんか騙してしまいご免なさい。
ホント、もうなんて言っていいのやらわかんないですが、ご免なさい。
で、ホントに考えてないので期待しちゃやーです。